結婚や出産を機に病棟からクリニックへの転職を検討する看護師はたくさんいます。
また、病棟勤務が身体的につらくてクリニックを検討する方もいるでしょう。
ちなみに、私はアルバイトを経て新卒から耳鼻咽喉科クリニックに就職し、数年勤務をしていました。
クリニックは夜勤がなく、「中抜け」と呼ばれる2~3時間の休憩時間があり、身体的な負担の少ない勤務形態が多いです。
主婦・主夫の方からすると、とてもありがたいですね。
この記事では、元耳鼻科看護師だった私が、耳鼻咽喉科クリニックの業務内容を説明します。
業務開始前の準備
まず、ネブライザーの準備です。
ネブライザーの機械は、電源を入れてから稼働するまで時間がかかるので、一番に取り掛かります。
そして、ネブライザーの薬液と、吸入チューブ類をセットして準備完了です。
次に、診察開始の30分前に出勤して、ユニットと呼ばれる機械や物品の準備をします。
患者さんが座る大きな椅子と、その隣にあるあの大きな機械がユニットです。
ユニットには、鼻水や耳垢を吸う吸引チューブや吸引した排液を溜めるビンがあり、それらを設置して適切に動作するか、破損がないかを確認します。
また、舌圧子、鼻鏡、耳鏡などの物品もユニット内の定位置にセットします。
ユニットが正常に稼働しないと、診察に大きな支障をきたすので、絶対に忘れてはならない準備です。
さらには、聴力検査の機械、レントゲンの稼働もあり、朝からやることが盛りだくさんです。
ひととおり準備が終わったら、朝礼を行い、業務に入ります。
診察中の看護師の業務内容
診察中は、指示出し、ユニット、診察補助、聴力検査に担当が分かれます。
まず、指示出しをする看護師は、次の患者さんの性別や年齢、診察部位をユニットの看護師へ伝えます。
また、込み具合や診察内容によって患者さんの順番を入れ替えたり、臨機応変な対応が必要です。
次に、ユニットの看護師は、指示出しから伝えられた情報をもとに、必要物品を用意します。
その後、患者さんの誘導をし、患者さんへの声掛けをしたり医師へ物品を渡すなどをして診察を補助します。
いわゆる器械出し看護師みたいな業務内容です。
個人的には耳鼻咽喉科の花形みたいなイメージがあって楽しかったですね(笑)
そして、診察補助です。
耳鼻科クリニックはお子さんが多く、ほとんどの子どもが診察に苦手意識を持っています。
時には診察室を飛び出してしまう子もいるほどです。
そこで、安全に診察できるよう、補助の担当がお子さんが動かないように、声掛けをしながら頭や体を支えます。
さらに、レントゲンの指示があった場合は、患者さんを誘導してセッティングをします。
補助はとても体力を使うので、一番汗をかいた業務でしたね。
最後に、聴力検査です。
医師から検査の指示があったら、防音室へ誘導して、検査の実施をします。
聴力検査は、患者さんが本当にその検査音で聞こえているのか難しく、とても神経を使う業務でした。
中抜けという業務間の休憩時間
中抜けはだいたい2~3時間あり、職員はみんな一旦帰宅し、家事をしたりそれぞれの時間を過ごします。
フリーランスの方であれば、隙間時間で作業も可能ですね。
私の場合は、当時はゲームばかりしていました。
今思うと非常に時間の無駄だったと後悔しています・・・
もしこれからクリニックで働く人は、この中抜けの時間を有効活用するとよいでしょう。
午後の診察~終業までの業務内容
午後の診察は、始業と同様に診察開始前30分から準備して、業務に入ります。
夕方から午後の診察を開始するクリニックがほとんどで、学校終わりや仕事終わりの患者さんの受診が多くなります。
そのため、午前よりも格段に忙しくなり、特にインフルエンザや花粉症の時期は残業が発生するほどです。
しかし、医師からすると稼ぎ時でもあるため、職員の間には緊張が走ります。
繁忙期に、ちょっとしたミスで業務が遅れてしまうと、こっぴどく叱られます・・・
診察中の業務内容そのものは変わらないですが、ひとつひとつを迅速に進めていかないと定時で帰れないので、目まぐるしい半日でしたね。
そして診察が終わると、30分かけて片づけをし、退勤です。
まとめ
病棟と比べてゆるいイメージのあるクリニックですが、実際はてきぱきと確実に業務をこなす必要があります。
身体的な負担が少ないのは確かですが、「楽したいから」という安直な理由だけでクリニックを選ぶのはあまりおすすめしません。
クリニックで働くことで自分の理想の生活が実現できるのであれば、良い選択肢になることでしょう。
コメント